【YCCスタジオ八尾】いよいよゴールデンウィークがはじまりますね

こんにちは!YCCスタジオ八尾ですm(__)m
あらためましてYCCスタジオ八尾のブログの中の人こと管理者の古川です。
いよいよゴールデンウィークが始まりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

旅行に行かれる方、趣味に没頭される方あるいは普段と変わらずお仕事という方もいらっしゃるかもしれません。

かく言う私はと言いますと晴れた日は畑のお世話、雨の日は本を読んで過ごす予定です。まさに「晴耕雨読」を地で行くつもりですが、今のところ天気予報では八尾周辺ではあまり大きな天気の崩れはなさそうです。


今回紹介する本は『奴隷の哲学者エピクテトス人生の授業~この生きづらい世の中で「よく生きる」ために~』荻野弘之著 かおり&ゆかり[漫画] ダイヤモンド社」です。この本は、後期ストア派の一人「エピクテトス」の『語録』の内容をマンガを交えつつとてもわかりやすく紹介しています。『語録』は正確にはエピクテトスの著作ではなく、彼の弟子で政治家としても活躍したアリアノスという人が師の言行を記録したものです。

ストイックという言葉がありますが、ストア派が語源になっています。ストイックを辞書で引くと「禁欲的で、感情に動かされず、苦楽を超越する様子。」(「新明解国語辞典」三省堂)とあります。
ストア派は何に対しても闇雲に禁欲せよと言っている訳ではなく、「我々次第であるもの」と「我々次第でないもの」の境界を正確に見極めて、「我々次第であるものにだけ、自分の欲望の対象を限定すること」が「よく生きる」ために肝要であると主張します。

「我々次第であるものと我々次第でないものを明確にする」というストア派の考え方は、「認知バイアス」や「認知行動療法」など我々福祉分野にも関係のある現在の学問にも通じる部分もあります(もちろん古代ローマと現在は人権など価値観が違うので全てではありません。)。

提要には次のような一文があります。

「有名な人、有力な人、あるいは評判の良い人を目にした時、君は心象に拉致されて、その人を「幸せな人だなあ」と思い込まないように注意するがよい。というのも、善の実質が「我々次第であるもの」のうちにあるならば、羨望や嫉妬が生まれてくる余地はないからだ。君は自分が将軍や議員や総督になりたいとは願わないで、むしろ自由人であることを願うだろう。この自由に至る唯一の道は「我々次第でないもの」を軽くみることである(『提要』19。紹介書から引用P35)。

この一文を見ると古代ローマの時代から人間の本質はあまり変わっていないのかも知れません。SNSなどにアップされる華やかな写真や動画を見て、他人を羨み自分を卑下する。でも他人の一見華やかに見える生活は借金で無理してやっているものかも知れませんし、下げたくもない頭を下げたり、したくもない愛想笑いをすることによって得られたものかも知れません。
自分自身でどうこうできないことで一喜一憂するのではなく、今現在の自分自身でできることに専念する。それが「よく生きる」ために必要であるとエピクテトスは2000年の時を超えて教えてくれます。

お休みの一部は読書に費やしてみるのもいかかがしょうか?


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